こんにちは!飯島です。
今回は産後の骨盤がどうなっているのかについて詳しく解説していきます。
この動画を見ている方は産後のカラダについて意識が高い方だと思います。
出産後に体型が崩れてしまったり、カラダのあちこちが辛い方も多いと思いますが、ネットで調べると情報が多くて何を取り入れるべきかわかりにくいと思っていないでしょうか?
とくに出産後は
- いつから骨盤矯正を開始すべきか?
- 産後6ヶ月で手遅れなのか?
- 骨盤は開くのか?開かないのか?
など、治療家によって言っている内容が違うことも多いです。
産後のカラダに対する認識や骨盤矯正に関する考えなど、治療家によって大きく変わる部分なので、調べれば調べるほど「何を信じたらいいかわからない・・・」という状態に陥りやすいです。
意識の高い方ほど、どうすればいいか悩んでしまう方が多いので、今回はそういった悩みを解消できるように動画を作りました。
この動画の信頼性を高めるために少しだけ私の実績をお話しておきますと、年間で250名以上の産後ママが来院する整骨院を経営しています。
特徴としましては、骨盤の開きを改善して骨盤周囲のサイズを細くするという技術を強みにしています。妊娠前に履いていたズボンが履けるようになったり、実際に骨盤周囲を計測して数値で効果を実感される方がほとんどです。
現段階では私1人では新規の方に対応しきれないので、複数のスタッフで整骨院を運営している状態になります。
産後の方のデータ数に関しては相当な数になるので、もし、出産後の体型崩れやカラダの痛みで悩んでいる方にとっては他で聞くことができない貴重な内容になるはずです。
そこで、今回お話させていただく内容としては次の5つです。
- 産後の骨盤の構造
- 産後骨盤矯正の開始時期
- 産後のゆがみが起きることによる弊害
- 帝王切開の場合について
- 産後のゆがみと一般的なゆがみの違い
こちらになります。
この動画を一本を観るだけで、いま感じている疑問の大部分を解消できる内容になっています。
細かく産後の骨盤に関する見解を出している動画はほとんどないので、ぜひこの動画を何度も見返して今後の産後ケアに活かしてください。
骨盤の形状〜出産後の状態を解説
まず、産後の骨盤がどのようになっているのかについて解説していきます。
骨盤の形は何となくわかっているけど、細かい部分まで把握している方は少ないのではないでしょうか?
骨盤というのはこのように複数の骨が合わさることで構成されていて、実は構造的にかなり複雑になっているので、知識がないとなかなかイメージしにくい部位になっています。
前面から骨盤を見るとこのような形状になっていて、この骨が腸骨・真ん中にある骨が仙骨・この部分が恥骨というところになります。
では出産後の骨盤はどうなるのかといいますと、腸骨と仙骨をつなぐ「仙腸関節」と言われるところが動きやすくなっています。
後ろから見ると骨盤はこのような形状をしているのですが、本来はこの部分というのは靭帯でがっちり固定されていて、ほとんど動かない状態になっています。
ただ、出産の前後というのはホルモンの影響で骨盤が動きやすくなっています。
何のホルモンかと言いますと「リラキシン」というホルモンで、これは関節を緩くする作用があります。
出産の直前というのは出産に備えてリラキシンの分泌が増えて骨盤が動きやすい状態になります。
臨月に入ると赤ちゃんがグッと下に落ちてくるため、骨盤への負荷が大きい状態がしばらく続き、さらに出産時の負荷によっても骨盤はかなり動きます。(※個人差があります)
男性の治療家は骨盤は動かないと言う人が多いですが、物理的な観点から見てもこの状況を見れば骨盤への負荷が大きいことがわかると思います。
Shin整骨院の考え
出産後にかかる骨盤への負荷はどう考えても外側に開く力が強くなり、それに加えてホルモンの影響で骨盤の靭帯が緩みやすく、骨盤が動きやすい状態になっています。
このように出産後しばらく骨盤が動きやすい状態が続くため、骨盤矯正というのは個人的にかなり重要だと思います。
「骨盤矯正」と言ってもいろいろな考えがありますが、私はこの仙腸関節部分を動かすことがとくに重要だと考えています。
なぜかと言いますと、この部分が産後のゆがみに直結しているからなんです。この部分が開くポイントになりますが、ここをしっかり引き締めてあげることが重要です。
どこまでも骨盤が動くわけではなく、ここがストッパー部分になっているので、骨盤が締まればそれ以上はいかないです。
ちなみに、出産後でない人の骨盤でテストしたことがありますが、施術によってその場での変化はありましたが、出産をしていないと施術後すぐに戻ることが多かったです。
産後いつから骨盤矯正すべき?
今の解説では出産後の骨盤が動くことは理解いただけたかと思いますが、よくある質問で「産後いつから骨盤矯正をすべきですか?」というものがあります。
結論から言いますと、出産後から1ヶ月程度経過すれば、いつでも骨盤矯正を開始して大丈夫です。
もし、歩くだけで股関節が痛かったり、日常生活を送るのも難しいレベルであれば慎重に判断すべきですが、そうでなければいつでも骨盤矯正を開始して大丈夫です。
このとき、産後いつから骨盤矯正すべきですか?という質問に付随して
「産後6ヶ月経過したら骨盤矯正は手遅れですか?」というものがあります。
この部分はネットで調べると「産後の骨盤は6ヶ月で固まるから、そのタイミングをすぎると手遅れ」という情報が多いことが原因なんですけども、これに関しては、産後6ヶ月経過したから手遅れということはないです。
骨盤の動きに関しては個人差が大きい部分になりますが、当院の患者様は産後から数年経過している方も多く来られていて、それでもしっかりと効果も実感していただいているので、産後6ヶ月で骨盤矯正が手遅れだということはないと考えています。
もちろん、骨盤矯正のタイミングは早いに越したことはないですが、6ヶ月経過したから一律で手遅れだということはないので安心してください。
当院のデータを調べてみたところ、産後6ヶ月以上で来院される方が約30%となっているので、意外と6ヶ月以上の方が多かったです。
私が実際にお話を聞いた感覚では、妊娠中に整体院を調べていた方は産後早い段階で来られていて、産後から整体院を調べ始めた方は育児に追われて気がついたら6ヶ月過ぎていた、というパターンが多いですね。
骨盤が開くとどんな影響がある?
では、次にいきます。出産後に骨盤が開くとどんな影響が出るのか?ということなんですけども、体型崩れ・体重が落ちない問題・カラダの機能の3つにわけて解説していきます。
出産後はカラダにさまざまな影響が出るので、自分がどのパターンに当てはまるのかチェックしてみてください。
産後の体型崩れ
まず、出産後の体型崩れに関してです。
これはかなりの方が該当するのではないでしょうか?
ほとんどの方が体型崩れで悩んでいると言っても過言ではないと思います。
出産後は
- 下っ腹が出る
- 太ももが太くなる
- お尻が垂れる
このような特徴があります。
これらの部位が崩れてしまうのは、妊娠後期のお腹が大きい時期に活動量が減ることが原因として挙げられます。
おなかが大きくなると、どうしても物理的に重さがかかることで骨盤が後傾しやすくなることに加え、お腹が張ることで腹筋も使いにくい状態になります。
腹筋が使いにくい状態になることで筋力が低下し、それによって下っ腹が出やすい状態になります。
また、「腹直筋離開」という腹筋が離れてしまうことが原因で、お腹が出やすくなる方も多いです。
また、妊娠中のお腹が大きい時期に骨盤が後傾するクセが身に付くことで、脚がガニ股のようになりやすいです。脚の重心が外側に行ってしまうことで太ももの外側ばかり使い、内側を使わないバランスになります。
筋肉の稼働が少ない部位は脂肪が溜まりやすいので出産後は脚が太くなりやすいです。
さらに骨盤が後傾することでお尻の筋肉も使いにくい状態になるので、出産後はお尻がたるみやすくもなります。
こういった原因が重なることで産後の体型崩れが悪化する原因になります。
ここまでまとめますと、出産後は筋力低下・骨盤後傾になりやすいことが原因で
- 下っ腹
- 太ももの内側
- お尻
この部位がとくに体型崩れが起きやすいといえます。
出産後に体重が落ちない問題
次に、出産後に骨盤が開くことで起きる弊害として体重が落ちない問題があります。
「出産後は少しずつ体重が落ちたけど、あと3〜5キロくらいのところで停滞してしまっている」という方は多いのではないでしょうか?
こういった体重の停滞は先ほどの話とつながる部分が多いのですが、一番の原因は筋力低下です。
筋肉が少なくなると代謝機能は落ちてしまうのですが、出産後はほぼ100%筋肉
量が低下しています。
妊娠後期はお腹が大きくて活動量が一気に減りますし、出産後の入院時は病人のような状態になるので数日間ほとんど動かないケースが大半です。
このときに思った以上に筋肉が落ちています。これが、出産後に体重が戻り切らない典型的なパターンです。
この場合、食事だけで体重を減らそうとしてしまうと体力も落ちてしまうので、筋肉を戻す取り組みは必須になります。
ただ、出産後の弱った状態からハードな運動をするとダメージが大きいので、最初はリハビリのような軽めのエクササイズから徐々に回復させていくのがオススメです。
出産後でもできる簡単なエクササイズやストレッチはInstagramでアップしているので、ぜひ概要欄からチェックしてみてください。
産後はカラダの機能が低下
次に、骨盤が開くことで起きるカラダの機能的な面での影響について解説していきます。
カラダへの影響としては肩・腰などの痛みや尿漏れがあります。
一番多いのは肩・腰の痛みですね。それ以外では手首の腱鞘炎・膝の痛み・股関節の違和感など、人によってさまざまなパターンがあります。
それぞれ掘り下げてしまうと動画の趣旨とはズレてしまうので、大まかに解説すると、妊娠後期から出産でのダメージもありますし、育児中の疲労も蓄積されてあちこち痛くなるケースは非常に多いです。
実際に産後骨盤矯正で来られる方で、カラダはどこもつらくないです、と言う方はまれにいますがほとんどの方はどこかしら辛い部分を抱えています。
出産後の筋力低下・抱っこによる姿勢の崩れなど、さまざまな要素が絡み合ってくるので、人によって症状は多岐に渡ります。
カラダの痛みはほとんどの方が抱えていますが、実は尿漏れで悩んでいる方もかなりいます。
いろいろ論文を読んでいると、出産後の方の半数もしくはそれ以上の割合で尿漏れがあるというデータもあるくらいです。
実際、当院に来られる方でも尿漏れの相談はかなり多いです。
私の経験からお話させていただきますと、出産後の尿漏れの改善パターンは3つあります。
まず一つ目は、骨盤が開くことで「骨盤底筋」と言われる尿の排泄をコントロールする筋肉が上手く使えない状態になっている場合です。
このような方は骨盤矯正をしていくと割と早い段階で尿漏れが改善します。
骨盤が正しい位置に戻ったことで、骨盤底筋が正しく使えるようになったということです。
次に、骨盤底筋が弱くなっていることが原因で起きる尿漏れは、エクササイズで骨盤底筋を鍛えることで徐々に改善していく傾向にあります。
これは骨盤だけが原因ではなく筋力強化も必要なので、少し改善まで時間がかかる印象があります。
最も大変なのは、骨盤底筋に関係する神経にダメージを受けている方で、こういった方はなかなか尿漏れが改善しない傾向にあります。
骨盤矯正をして、さらにエクササイズを継続しているのに尿漏れが改善しない方は、出産時に神経のダメージを受けている可能性が高いかなと個人的には考えています。
この場合は神経の回復もしていかないと尿漏れが回復していかないので、骨盤底筋を動かす訓練を根気よく継続する必要があります。
このとき神経への影響だから骨盤矯正は必要ないのでは?と質問されることもありますが、私としては骨盤矯正で骨盤底筋を使いやすい状態にして、さらに自分で筋肉を動かす訓練を継続していくことが回復スピードを早めると考えているので、骨盤矯正は必要だと考えています。
帝王切開の場合について
では次に帝王切開の場合について解説していきます。
よくある質問で「帝王切開の場合は骨盤矯正の必要ないですか?」というものがあります。
結論から言いますと、帝王切開でも骨盤矯正は必要だと考えています。
なぜかと言いますと、妊娠後期から骨盤が緩むホルモンが分泌されることによって出産方法に関係なく骨盤が動きやすいからです。
骨盤が動きやすい状態で赤ちゃんがグッと下に降りてくるので、その段階で骨盤が外側に広がる力が加わっています。
こういった背景があるので、帝王切開でも骨盤の開きによってズボンがキツくなって悩んでいる方も多くいます。
なので、帝王切開による出産でも骨盤矯正はした方がいいと思います。
ちなみに予定の帝王切開では自然分娩の方に比べて骨盤の緩さ・開きが少ないことが多いですが(※個人差あり)、緊急の帝王切開では骨盤の緩さが強いことが多いです。
理由として、帝王切開の直前まで陣痛促進剤を打っていることが多く、そこに骨盤が緩むホルモン剤が入っていることが多いです。その影響で帝王切開でも不自然に骨盤が動きやすい方は結構診てきました。
なので、一概に帝王切開だから骨盤矯正は必要ない、骨盤の緩さ・開きが少ないとは言えないなというのが私の経験上、そう考えています。
恥骨のズレは日常生活に大きな支障が出る
ここまでの内容では出産前後から仙腸関節が開くという解説をしてきましたが、まれに恥骨部分に影響が出ている方もいます。
ここまで解説していた仙腸関節はこの部分ですが、恥骨に痛みが出ている方もいます。
この恥骨部分が微妙にズレてしまったり、中には離れてしまう「恥骨結合離開」という症状を起こす方がいます。
恥骨部分に炎症が起きてしまうと痛みが強く出ますし、恥骨結合離開になると歩くのも困難なレベルになる場合もあります。
このように、同じ骨盤のズレであっても症状はまるで変わります。
治療家の中には「恥骨はよほどのことがない限りズレないから産後骨盤矯正は必要ない」という人もいますが、恥骨部分にフォーカスするという条件であれば、そういった考えもあるかなと思います。
ただ、私は仙腸関節部分を矯正した方がいいという考えなので、「骨盤」という大雑把な括りではなく、骨盤部分のどこを矯正していくか?という考えが重要だと思っています。
産後のゆがみと一般的なゆがみの違い
ここまで出産後の骨盤のゆがみについて解説しましたが、一般的に言う「ゆがみ」と何が違うのかを解説していきます。
一般的には「ゆがみ」と大雑把な表現で一括りにされているため、ゆがみに対して曖昧な認識でいる方がほとんどではないでしょうか?
なんとなくゆがみは改善したいと考えているけど、うまく言語化するのは難しいですよね?
そこで、私の考える一般的なゆがみと出産後のゆがみの違いについて解説していきます。
まず、産後の骨盤ですが、先ほども解説したように仙腸関節部分が広がります。出産後特有のゆがみは「骨盤の広がり」だと考えてください。
それに対し一般的なゆがみは骨盤の「傾き」「ねじれ」になります。例えば、肩にカバンを掛けたりすると片方の肩が下がり、片方の骨盤は上に傾きます。
また、座った状態で足を組んだ場合、片方の骨盤が前方にいきます。これが「骨盤ねじれ」になります。
イメージとして、出産後の骨盤は骨盤自体に問題があり、一般的なゆがみは日常の姿勢の影響で筋肉の緊張バランスが左右で崩れることが原因です。
これが出産後のゆがみと一般的なゆがみの違いになります。
おなじゆがみでもアプローチが変わるので、産後のゆがみ・一般的なゆがみ、それぞれ違う技術が必要だと考えています。
産後骨盤矯正は必要か?
以上、出産後の骨盤や一般的なゆがみについて解説してきましたが、結局、骨盤矯正が必要なのか?について気になる方も多いかと思います。
出産後は自然と骨盤は元に戻るから矯正が必要ないというなど、いろいろな意見もありますが、私は出産後の骨盤矯正は必要だと考えています。
産後に体重が戻っているのにズボンがキツくなったという方をたくさん見てきましたし、施術によって変化を実際に出してきた経験からの結論です。
出産後に何も不具合を感じなければ矯正する必要はないと思いますが、産後の体型崩れや将来的に影響が出るリスクを最小限にしたいと考えている方は骨盤矯正した方がいいと思います。
まとめ
以上、産後の骨盤について解説をしてきましたが、この分野というのは治療家によって考えや施術内容は大きく変わってきます。
「骨盤は開かないから矯正は必要ない」
「自然と骨盤は元に戻るから矯正は必要ない」
など、180°違う意見もありますが、実際に出産後の患者さんを常に施術している側からすると、骨盤矯正をしないと後悔する確率が高いかなと思います。
もし、産後骨盤矯正に興味がある方は当院にご相談ください!